
ゲストハウス オーナー
【ヒトヤ堂】村松佐友紀
静岡に、新たな寄り道の拠点を創りたい。
ーサービス内容を教えて下さい。
喫茶店とゲストハウスの複合施設、『泊まれる喫茶店 ヒトヤ堂』の運営です。ドミトリーと個室を常備した宿で、国内外よりゲストさんをお迎えしています。
ー出身地や生い立ち等を教えて頂ける範囲で教えて下さい。
生まれは静岡県牧之原市という場所です。小中学校まで牧之原市に住んでいて、高校は藤枝東高校の普通科に通っていました。そして高校卒業後に東京の武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科に進学しました。
ー武蔵野美術大学ではどんな事を勉強されていたのですか?
元々、店舗などのショーウィンドウやディスプレイが好きで、そういったことが学べる大学を探していて、武蔵野美術大学に進学しました。大学では服を作ったり、家具を作ったり、絵を描いたりといろんな事をやったのですが、3年生の時に大学を中退して静岡に戻り、21歳から3年半、前職であるリクルートで働いていました。
ー独立した経緯を教えて下さい。
元々よくゲストハウスを利用していて、「こういう形態の宿面白いんじゃないかな?やってみたいな」と初めて思ったのが大学生の時でした。他にやりたい事がなかったということもあり、ゲストハウスをやってみたいと考えていたのですが、大学を中退してしまったのでそんな事も言っていられないと。それで前の職場に就職して、働き出してからは開業するというイメージが一旦なくなっていました。
前の仕事では、職種上たくさんの経営者や自分で事業をやっている人と接する機会が多くありました。営業職だったのですが、営業をやりたくて選んだ仕事じゃないのもあり、どちらにしても3年で転職しようと決めていました。3年間で接してきたお客様や一緒に働いていた方の影響が自分の中ではとても大きかったのが独立したきっかけの一つです。
あとは仕事で静岡市内をグルグルと回っていた時に、「静岡にもっとこういうのがあったらいいな」とか、色々アイディアが出始めてきたんです。社会に出てからはやりたい事がどんどん出てきて、もともと好きだったゲストハウスなら、やりたい事がいろいろ出来るかもしれないと思ったんです。
ー元々ゲストハウスの開業というイメージはあったという事ですね。
ありました。何故か前の会社の履歴書に書いてました。「私は3年後に開業したいと思っています」みたいな(笑)
ーヒトヤ堂の特徴や強みを教えて下さい。
一番は喫茶店を並列しているということで、それがバーでもなく、カフェでもなく、「喫茶店」っていうのが特徴だと思っています。喫茶店を利用して下さる客層が完全に地域の方になっているというのと、ゲストハウスに並列しているカフェやバーは近所の年配の方は入らないと思うんですけど、ここは喫茶店なのでお越し頂けるんです。
そう考えると本当に地元で成立していて、「ゲストハウスだから行こうよ」じゃなくて、喫茶店を利用したい方が気軽に来店して下さるんです。そのうえで宿は宿で機能しているので、地元の方と宿泊されている方が、同じ空間にいることがお互いに面白い環境なんです。
宿泊されている方は「地元に近い感じ」を、喫茶店を利用される地域の年配の方はあまり海外の方と接する機会が普段ないので、「他のお店にはない空気間」を楽しんで下さっている感じがとてもあります。たまに地元の方が、「どこまで行くだね!?」と話しかけていたり、モーニングの時間は地域の方も宿泊の方も同じ空間にいる事が多いので、お話をされている方も結構いらっしゃいます。
ーそういった喫茶店や宿の機能の仕方は、オープンされる前にイメージされていたものと同じですか?
予想外の事の方が多いですし、ここまで具体的には思っていませんでした。ですが、この街中にオープンする以上、地域がどう変わっていくかは結構考えています。もちろん宿を受け入れてもらいたいというのもそうですし、宿泊して下さった方々が宿だけではなく、この街を楽しんでほしいという思いもあります。そして周りのお店や、周りの人達にとっても、この宿が出来た事でいつもいないような人達が街にいる事を楽しんで頂けたらいいな…というざっくりとしたイメージはありましたが、今はそれが具体的に見えています。
ー運営していて心がけている事はありますか?
意識的に気にしているのはお客さんとの距離感です。宿泊されているお客さんとの距離感、喫茶店に来られているお客さんとの距離感、どちらも含めて気をつかうようにしています。
ー今後の目標はありますか?
目先のこととしては、一年以内位には私も小島(※スタッフ)もやりたい事だけになるべく時間を使っていられる状態にしたいです。今は私とスタッフの2人で運営していますので、事務や経理の作業、宿管理から喫茶店の運営まで全て自分たちでやらなければなりません。もう少し人にできることは人に外注して、2人の環境を整えたいですね。そうすることによって、より良いサービスを提供できればと考えています。その次の大まかなビジョンとしては、「静岡を通り過ぎていた人達に静岡に寄ってもらう」ということに貢献できればいいなと考えています。
ー具体的なイメージはありますか?
具体的にはまだないのですが、泊まるだけだけではくて、もう一工夫されたなにか、、、お土産屋さんとかやりたいですね。
ー若い方や女性で起業したり独立したいと考えている人に、一言お願いします。
若い女性に限って言うのであれば、とりあえずやってみればいい思います!自分がそうだったので!
村松佐友紀・・・1992年5月8日 静岡県牧之原市生まれ。武蔵野美術大学にてショーウィンドウやディスプレイデザインについて学ぶ。リクルートにて3年間働いた後「泊まれる喫茶店 ヒトヤ堂」を開業。