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書道家【一樹会】小塩瀏蒼

書道家【一樹会】小塩瀏蒼

書道家
【一樹会】小塩瀏蒼

 

ー小塩さん、こんにちは。今日はお忙しい中ありがとうございます。宜しくお願い致します。

こんにちは。こちらこそお越しいただきありがとうございます。宜しくお願いします。

 

 

ーそれではまずはこれまでの生い立ちなどお聞かせください。

昭和44年生まれで、7歳で書道を始め現在までこうして書道をやっておりますが、書道の専科は出ていません。小学校の6年間書道をやっていたのですが、中学に入ってからは部活が忙しくなり、習う事が出来ませんでした。ただ、学校のコンクールで賞を頂いたりと、ずっと書道が好きだったんですね。27歳の頃、子供を書道教室に通わせるようになってから、大人も習えるという話を聞き、また始めたいという気持ちが強かったので再開することになりました。その教室には2年ほど通わせて頂きました。30歳を過ぎてからも書道が大好きで、専科を出てきた方達と自分はどれくらい勝負になるだろうという気持ちで、そこから毎日猛烈な練習を積み重ねたのを覚えています。

 

 

ー小塩さんの活動内容を教えて下さい。

書道教室で生徒さんに教えるという活動がまず一つあります。そして不定期ですが、私の作品の展覧会、個展、作品展を国内や海外で行っています。書道界では師匠のもとで、その師匠のスタイルを受け継ぐのが一般的です。でも私はその一種類、狭い世界に縛られたくなくて、いろんなスタイルをひっくるめて、自分のスタイルとしています。

大前提として、書家といったらまずは綺麗な字が書けなければなりません。そこを通り越してアート的な物だけ書いて、書家と言っている人を私は認めたくないんですね。実用的な綺麗な文字が書けた上で、自分の思いを書を使ってアート的に表現していくことには意義があると思います。私はいろんなスタイルで表現するわけですが、その時の自分の思いがどのスタイルに当てはまるのかで表現方法を作っていくので、時には絵のような作品になることもあるし、綺麗な字で表現する時もあります。

今は技術を競うだけの書道になってしまっていて、余計に一般の人から書が離れてしまっているので、作品展示をした時に作品の前で足を止めてもらい、細部まで見てもらえるような形で作品を作っているつもりだし、作品を展示するだけではなく、空間全体が私のストーリーだという意味を持つように作っています。

 

 

ーなるほど、活動の幅が広いですね。海外ではどんな活動をされているのですか?

中国の書法家と、静岡県牧之原市の書道部を通じて交流があるのですが、勉強してきたことをお互いに書道で表現しあい、中国や日本で作品展示をしたりしています。その書法家さんは、私の字を見ると中国の古くからの歴史や技法を勉強してきたということがすごく分かると言って下さいます。

日本は昔の物を勉強して自分の作品に伝統的なものを表現するのではなく、師匠のお手本を丸写しして書写に徹しているように思います。ただ中国はそれぞれの人が古くから勉強しているので、大人になった時に正直レベルが違う。変に飾っていないですし、私は日本の書のスタイルと中国の書のスタイルとどっちが好きかと聞かれたら、中国の人のスタイルの方が好きなんです。

ヨーロッパ、ポーランドは漢字に対して興味はあるのですが、向こうの方には漢字は楷書のスタイルしかないと思われていて、そもそも筆で書くという文化もないので、私は海外でイベントごとをやる時には観衆の見ている前で様々なスタイルで書きます。絵画的な文字にした時に、そこから文字の意味を感じ取れるような作品を制作して、色も墨だけじゃなくいろんな色を使ったりもしています。

 

 

ーヨーロッパやポーランドの方の反応や印象はどのようなものでしたか?

皆さん見たことがないので、すごく興味を持ってもらえて絶賛もしてもらえました。私は日本でも海外でも書いただけの作品を展示するのではなく、必ず書くところを見てもらっているので、皆さん食い入るように見て下さいます。

 

 

ー今後の小塩さん自身が目指すところや、書道という文化の未来についての理想があれば教えて下さい。

日本においては書道が一般の方から完全に離れてしまっているので、もっと触れてほしいです。まずは静岡っていう小さい町からですけど、書道についてSNSやメディアを通じて発信していきたいと思っています。書道はすごく面白いもので、誰でもやれる事だし、コンクールとかも関係なく、書道のどこに楽しみを見つけるかは本人の自由で、とにかく書道の楽しさや面白さを知ってもらいたいと思っています。

そして今書道に楽しみ、面白さを見出せていない子供達に、コンクールで賞をとるだけじゃなくて、書道の本質的な楽しさ、面白さというものを教えていきたいですね。

 

 

ー今でも子供達に教えられてますか?

子供の書道教室をやっています。私が子供の頃に通っていた書道教室の先生はすごく厳しい方でした。でも私は先生の事も書道も好きだったんです。その先生と私のスタイルは違うのですが、子供達にとってあの先生に習えたから書道を楽しく思えている、という事を大人になった時に思い出してもらいたいんです。そして私自身も子供達と一緒に成長していければいいと思います。

 

ー幼い頃から書道をやってきて良かったと思う事を教えて下さい。

海外での活動のために二年ほど前から英語の勉強を始めました。英語もそうだと思うのですが、書道ってツールの一つなんですよ。自分を伝える為に書道を使って表現している。自分が元々人に好かれていなかったり、しっかりしていなかったら、作品を見て習いたいとか、一緒に展覧会をやろうと思う人は出てこないと思うんですよ。ましてや人の心を動かす事など出来ないと思います。自分を表現出来るツールの一つなので、それがあると人との間にある溝を取り除いて近付けます。5年前まで自分に外国の友人がこんなにたくさん出来て、メールでやり取りをして…っていう事を想像していませんでした。書道のおかげで世界が広がって、経験を積んで、考え方も変わりました。

 

 

ー最後に、これから若い世代の人が独立したり何かに挑戦したい人に対して、何か一言アドバイスをお願いします。

私は思ったらすぐ動いた方がいいと思います。そこで考えて動けない人はいつまでたっても動けないと思うからです。失敗しても何度でもやり直せますし、もちろん私も大失敗した経験があります。でも自分がどうしようかと悩んでるときはチャンスが寄ってきてるんだと思うんです。チャンスって誰にでもくるものだけど、そこで動ける人がチャンスを掴むんですよね。昔は本当に人見知りで知らない人のところにいけませんでした。ですがそこで、止まってちゃだめだということを教えてもらって、少しずつ行動するようにしたら世界がどんどん変わっていきました。とにかく自分を信じてやる事ですね。

 

ー今日はありがとうございました。

小塩劉蒼・・・1969年、静岡県吉田町生まれ。7歳より書を始める。幼き頃より空手、剣道に勤しみ、日本文化である「道」の精神を学ぶ。

 

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